« 本日も臨時休業 | メイン | 漢字大テスト実施 »

早朝講習化学 課題の補足1

Dalton_John_desk.jpg
 明日は漢字大テストがありますが、すでに十分な準備時間があったことと思います。ということで、お構いなく化学の早朝講習もおこないます。課題の解答を受け取っていない人は明日ノートを忘れないようにしてください。

 さて、課題はできましたか。原子量の基準を変更する問題(Ⅱ問5)について、少し解説をしておきます。原子量 atomic weight は1803年にドルトンが原子説とともに提唱した量です。当時、原子1個の質量を測定することは不可能でした。その結果、原子量は「基準にとった原子に対するほかの原子の相対的質量」という考え方がされました。どの原子を基準にし、その原子の原子量をいくらにするかという曖昧さがあったため、原子量はさまざまな値をとりました。最初は水素を基準にしていましたが、やがて酸素を基準とするようになりました。物理学では1961年まで16Oを16にしていましたが、化学では天然の酸素(17Oや18Oも含む)を16としていました。原子量にグラムをつけた中に含まれる原子数をアボガドロ数とし、1アボガドロ数の集団を1molとしていたのですから、混乱は避けられませんでした。今の基準が採用されたのは1985年のことです。この歴史的経過を追体験させる問題はときどき見かけます。

 原子量の基準を変えたときに連動して変わるのは、原子量のような相対質量,アボガドロ数,1molが示す具体量だけです。本問では(エ)の分子量がそれにあたります。そのほか出題されていませんが、気体定数Rは単位がPa・L/K・molなので連動して変化しますし、pHも水素イオン濃度mol/Lの対数をとったものなので連動して変化します。