選特化学 授業の補足24
エステルを扱いました。オキソ酸とヒドロキシ基を含む化合物が縮合したものですが、今日の授業ではカルボン酸とアルコールからなるカルボン酸エステルを説明しました。エステルが生成するエステル化esterificationで注意することは、カルボキシル基の-COOHからOHが、ヒドロキシ基の-OHからHが取れて縮合するということでしたね。エステル結合中の-O-の由来に気をつけて下さい。
また、エステル化では触媒として濃硫酸を使用します。授業中に説明したように脱水反応をおこなうために使用するのですが、もう一つ役割があります。何人かは気づいていましたが、この反応は可逆反応です。そのため、生成したエステルが多くなると加水分解して元に戻ってしまうのです。それを防ぐために吸湿性のある濃硫酸を加えて、生じた水を吸収させているのです。このあたりは平衡を学習すると、もう少し分かりやすいかもしれません。
終礼のときに教室へ持って来ていたのは酢酸イソアミル(冒頭の分子モデル)でした。薄ければバナナ臭ですが、マニキュアの除光液のような臭いと思ったかもしれませんね。低分子のカルボン酸エステルは果実の香りの成分なので、数種類をブレンドして香料として用います。有機実験の一つとしておこなってもらう予定にしています。