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大阪大学高大連携講座 Report⑲

 大阪大学高大連携講座は先日終了しました。8月末の夏期集中講座「知能とコンピュータ」を受講したM.I.さんのレポートです。今後は関西大学ネックレス講座や京都大学理学部ELCAS,関西学院大学高大連携講座が始まります。

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 私は今回「知能とコンピュータ」という、人工知能についての講座に参加してきました。阪大生20人弱の中、高校生は私一人で最初はとても緊張しましたが、授業や実習を通して馴染むことができたと思います。
 初日はオントロジー工学について学びました。オントロジーとは哲学用語で存在論という意味であり、人工知能分野などでは、概念の分類などと定義されます。オントロジー工学を利用することで適切な情報提供を行うことができ、最終的にロボットとの会話が可能になるということでした。現在は運転者が初心者であるかどうかや金額・時間・安全等のうちどれを重要とするかなどの情報から、音楽を流すかどうかやバーゲンなどの情報を提供するかどうかを判断するカーナビの実用化に向け研究をしているそうです。
 二日目はデータマイニングについて学んだのですが、授業内容が難しく、ほぼ理解できませんでした。かろうじて理解できたのは、データマイニングとは膨大なデータから新たな知識を取り出す技術のことであるらしいということでした。実際に、医療現場で医師の知らなかったある薬が糖尿病に効くらしいということが分かったそうです。しかしこれがどう繋がるのかは分かりませんでした。
 三日目は三つの講義を聞いたのですが、その三つの繋がりや、詳しい内容はあまり理解できませんでした。まず一つ目は脳波の検出による人に共感するコンピュータの開発についてでした。人に共感するコンピュータの開発には、オントロジー工学やデータマイニングが利用されるそうです。脳波から感情などを読み取り、音楽や照明を自動で調節できるようにするのが目的のようでした。二つ目は情報提供におけるタイミングの重要性についてでしたが、これについてはほぼ理解することができませんでした。三つ目は人間であればシナプスによって情報が伝わることで感情などが創発されるように、知能を作るのはネットワークであるということでした。人工知能においても脳波を読み取ることでやさしく話しかけたり、ネットワークによって記憶したりできるようになるのではと思いました。
 最終日は人工知能につける「眼」についてでした。凸面鏡を利用することでタイムラグなく360度観測することができ、複数利用すると距離も計測できるようになります。凹面鏡や平面鏡を利用するとまた違った効果があります。また、指紋認証や静脈認証などのバイオメトリクス(生体認証)という身体的・行動的特徴から人物を特定するという技術についても学びました。歩容認証システムという歩き方から人物を特定する技術は、裁判資料には使われなかったものの実際の犯罪で犯人特定に利用されたそうです。まだまだデータが足りないということで、今回参加した生徒全員の歩き方もデータに組み込んでいただきました。バイオメトリクスにはデータ不足や誤認証などの問題点が多くあるものの、その一つ一つを着実に解決しているところだそうです。
 今回この講座に参加して最も強く思ったのは、英語に強くならなくてはいけないということでした。日頃から英語ができなくてはいけないとは思っていましたが、今回英語の講義を受けたり、大学院生の話を聞いたりして、身に沁みて思いました。また、高校の知識が基礎になっているということもよく分かりました。この思いを忘れないうちにより一層勉学に励みたいと思います。四日間学校の授業は受けられませんでしたが、学校の授業以上に充実した四日間になり、参加して本当によかったと思います。