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ELCAS2011 Report21

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 生物を選択したY.S.さんの12月17日のレポートです。嵐山モンキーパークいわたやまへ出かけたようです。嵯峨の虚空蔵さんで知られる法輪寺のそばにあるのですが、あまり知られていないでしょうね。生態学に関心があるのなら、訪れてみるのもよいでしょう。

 今回のELCAS生物分野の実習は嵐山モンキーパークいわたやまで行われました。嵐山モンキーパークいわたやまには現在,1群130頭のニホンザルが暮らしているそうです。京都市内を一望できる展望台付近を中心に暮らしている,かわいい赤ちゃんザルや大きなオスザルなどを間近で観察できる所でした。あんなに近くでニホンザルに触れ合えるとは思っていなかったので,とても驚きました。
 まず,追跡する個体を決め,1分おきに追跡個体の行動と近接個体数を記録していく作業を1時間,2人1組で行いました。行動は採食Feeding,移動Moving,休息Resting,毛づくろいGrooming,遊びPlayingの5つに分けられていて,1分おきに個体が何をしているかを記録しました。近接個体数とは追跡している個体の周囲3メートル以内にいる個体の数のことで,オトナオス・オトナメス・コドモの区別もしながら記録しなければなりません。1時間ずっと追跡個体を見失わないで観察を続けるのは予想以上に疲れるものでした。私が追跡したのは1983年生まれの比較的群れの中での順位が高いおばあちゃんザルでした。このサルは1時間のうちのほとんどを食べたり,毛づくろいされたりして過ごしていました。順位が高いからか,観光客から餌をもらっている時に遠慮して近づいてこないサルがいたり,近くにいる赤ちゃんザルから餌を奪う様子を観察できました。他のELCASメンバーの記録と比較してみると,オスとメスの性別の違いや,順位によって同じニホンザルでも行動が異なることがわかりました。
 また,ニホンザルにリンゴやピーナッツなどの餌をあげながら,全体の外形や顔,手足をじっくりと観察しました。特に印象に残ったのは,他のサルと比べてニホンザルはしっぽが短いこと,怒っているときと怖がっているときの表情の違いです。上の歯は隠して下の歯だけ出しているときは怒っていて,上下両方の歯を出しているときは怖がっているそうです。餌をあげているときに少し意地悪をして中身のない空のピーナッツをあげてみたのですが,サルたちはすぐに中身がないことに気づきポイっと放り投げてしまいました。改めて賢いなと感じました。
 今回は普段よりも実習時間が長かったので,たくさんのことを学ぶことができました。1時間ニホンザルを観察するというのは地味に思われる作業かも知れませんが,たったの1時間だけでもサルの生活を知ることができるのです。ニホンザルを見たことはあっても,今回のようにじっくりと観察したことは生まれて初めてだったので,とても貴重な体験になりました。寒くて大変でしたが,素晴らしい思い出ができました。次回も楽しみです。