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ELCAS2011 Report24

 生物を受講しているY.S.さんのレポートを紹介します。写真は彼女が作成した歯形の模型です。タグにRangwapithecus gordoni とあったので調べてみました。1988年にアフリカ・ケニアで発見された初期類人猿で,中新世初期に樹上生活していたことや歯の状態から菜食であったことは分かりましたが,それ以上詳しいことはわかりませんでした。最古の類人猿と考えられているKamoyapithecusと同じような時期ですね。

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 今回は自然人類学の研究室での実習でした。たくさんの化石人類や霊長類の頭部の模型があり,とても驚きました。まず最初に,自分の頭の長さを測って,短頭か長頭かを調べました。人間の頭は(頭最大幅/頭最大長)×100の数値によって,長頭型・中頭型・短頭型・過短頭型の4つのタイプに分類されます。頭最大長は眉間と後頭部の一番出っ張っている部分との間の長さ,頭最大幅は,頭部の一番広いところの長さを,それぞれ特殊な器具を使って計測します。(頭最大幅/頭最大長)×100の値を頭長幅示数といい,75.9%以下なら長頭型,76.0~80.9%なら中頭型,81.0~85.4%なら短頭型,85.5%以上うなら過短頭型と呼ばれます。この頭形は同じ日本人でも地域によって差があり,長頭型や中頭型が多い関東地方に比べ,近畿地方では短頭型や過短頭型が多いそうです。実際に自分の頭を測り,頭長幅示数を計算してみると,なんと約79%の中頭型であることが分かりました。近畿地方に多いタイプの頭形ではなかったので珍しいと言われ,少し複雑な気持ちでしたが,とても興味深い実習でした。
 その後,歯の模型をつくる実習をおこないました。これは歯科用シリコンゴムで模型の歯の型を取り,その型に硬石膏を流し込むというものでした。硬石膏を流し込む際に,気泡を出すために振動を与える必要があり,想像以上に細かい作業でした。根気のいる作業に疲れましたが,なんとか無事に模型をつくることができました。私がつくった模型は,上顎の小臼歯・大臼歯だけでしたが,普通は全部の歯の模型をつくるそうなので,模型1つをつくるのも大変だなと感じました。今回はあまり頭を使って考える実習ではありませんでしたが,新しい発見もあり,とても楽しかったです。ELCASも残りわずかなので,最後まで頑張ろうと思います。