本を読もう-進路実現のために- 3
1冊目は中公文庫からでている「世界史」です。オックスフォード大学出版局が出したWilliam H. McneillのA World History第4版の邦訳です。第4版が出たのが1998年ですから15年近く前になります。それでも読み継がれているのは,世界の文明の流れをコンパクトに分かりやすくまとめていることと,地域毎に切り分けられているのではなく,地域の相関関係を分析している点にあると思います。定評のある山川出版の教科書とは視点の違いを感じます。
2冊目は草思社文庫からでているJared Diamondの「銃・病原菌・鉄」です。世界史の勢力地図が何度も塗り替えられた背景にあるものを,進化生物学・生物地理学・文化人類学・言語学など文系・理系の枠を超えて幅広い知見から解き明かそうとしています。ピュリッツァー賞や国際コスモス賞も受賞して2000年代に話題になった書ですが,高校生以上でないと読みこなすのは難しいでしょう。
いずれも進路に国際や文化を選んでいる人には読んで欲しいと思います。(本当に読んで欲しいのは歴史のダイナミズムに触れて欲しい理系ですが,難しい…かな。)