選特化学 授業の補足32
化学Ⅱの選択分野に入っています。衣料の化学では,繊維・染料・洗剤を扱いました。
青い染料は植物にはあまり存在しません。(だから青いバラは存在しませんでした。千葉大学で青いダリアを開発したと報道されていましたね。) インディゴは今でこそジーンズの色で珍しくもありませんが、それも合成染料として工業的に作られてからのことです。スルホン化したインディゴカルミンは青色2号,つまり着色料ですね。
さて、このインディゴの発色を扱った問題を解いてもらいました。インディゴの前駆化合物はグルコースが1つ結合したインディカンです。これがアルカリ条件での発酵でグルコースが離脱し,インドキソールになります。これが問題文中にあった還元型インディゴです。インドキソールは空気中の酸素と反応し,インディゴになります。ティリアンパープル(皇帝紫)も構造はインディゴとよく似ています。これはインディゴに臭素原子が2つついた2臭化誘導体です。こちらもブロモインディカンが空気中で酸化されて発色します。
二重結合と単結合が交互に並ぶ共役が分子に存在すると,特定の波長の光が吸収されるので,発色します。βカロテンがオレンジ色をしているのはそのためです。酸素や窒素,硫黄,臭素,塩素などがその構造の一部にあると共役が拡張され,吸収波長が変化します。