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次は,高校1年生

— 皆既月食が観察されました —

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10日夜,全国各地で皆既月食が観察されました。 中学1年生の皆さんのなかからも「楽しみにしている」という声を聞きました。 冷え込む中,みなさんも空を見上げたのではないでしょうか。

夕方までは厚い雲がたれ込めていましたが夜になると晴れ上がり,絶好の観測条件に。 そして午後5時ごろには,東の空に明るく輝く満月が。 午後9時45分,いよいよ食の開始時刻を迎えると,冬空を代表する星座のオリオン座の頭の横で輝く満月が少しずつ欠け始めました=写真

月食を見ながら,学生時代「クレオパトラは日食を見たか」というタイトルの文章に出会ったことを思い出しました。 そこには天体の運動と天気予報の違いについて次のように説明してありました。

天体の運動は規則的ですから,2000年ほど昔のエジプトで日食現象が起きたかどうかは計算をして答をだせます。しかし,このときその地方の空が晴れていたか,あるいは曇っていたかは計算から答えられません。(中略)
日食を見るためには,日食現象が起きることと空が晴れていることという2つの条件を満たす必要があります。 クレオパトラが日食を見たかどうかの可能性を考えるときの自然的条件に,典型的な予測可能運動(天体の運動)と典型的な予測困難な運動(大気の運動)が関わっているということです。
(井上政義『カオスと複雑系の科学』日本実業出版社,1996)

今回の月食は「10日午後9時45分から11日午前1時18分まで,そのうち午後11時5分から58分の間に皆既月食となる」と分単位で予測されていました。 そして,次の皆既月食は2014年10月8日午後6時15分からだそうです。 このとき中学1年の皆さんは高校1年生。 どんな高校生になっているのでしょうか?  それは予測できません!? (寿)

(写真左)2011年12月10日22:18,兵庫県川西市にて撮影
(写真右)2011年12月10日22:36,兵庫県川西市にて撮影