« 奥大山ブナの森工場を訪問 | メイン | エコライフのすすめ~ライフスタイルのチェック »

森を守る取り組み

tusin012_edauchi1.jpg tusin009_edauchi.jpg
  大山は中国山地の最高峰で標高1709mですが、以前は火山で180万年前から50万年前までは大規模な噴火を繰り返していたようです。最後の噴火が確認されているのは約1万年前で、地層は火成岩が主体です。そして、奥大山一帯は広大なブナの森が生い茂っており、永い間にブナの落ち葉が積み重なってできた腐葉土で覆われています。この大山に降った雨や雪は、ブナの葉で集められ、幹を伝って腐葉土の中を通るので、ミネラルを主体とした栄養分をたっぷりと含んだ地下水として、蓄えられるのです。
ところが、ブナは余りにも身近で多くあったため、漢字でも「木偏に無い」と書くように大切に扱われず、伐採して杉や檜を植えたり、パルプの材料とされてきました。しかし、西洋では〝森の聖母〟と呼ばれるように、ブナの森のあるところには例外なく名水と言われる美味しい水が湧き出ているのです。
  サントリーでは、工場の周りにある147haの森林を「天然水の森 奥大山」として、水源涵養活動を行なっていく計画を持っておられます。今回の訪問では、サントリーの皆さんのグループに入れていただき、ブナやミズナラ・コナラの生い茂った森の中に深く分け入りましたが、土は落ち葉のためフカフカでまるでスポンジの上を歩いているような感じです。また、ブナの幹は白っぽい色をしていて、表面には緑色の苔が張り付いています。20分ほど歩いたところで、植林された杉の枝打ちを行ないました。ヘルメットをかぶり、ゴーグルをかけ、長く延長できるノコギリを使って、高いところにある小枝を切り落としました。約1時間余りの短い時間でしたが、杉の小枝がすっかり取り除かれ終了した後は太陽の日差しが根元まで差し込んでいました。
  現在、日本の森林はこのような枝打ちや下草を刈るということをやる人が少なくなり、折角植林した森が荒廃してきています。農業や漁業と共に森林を蘇らせるための林業のあり方を抜本的に考え直していかなければならないと感じています。