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紅茶の色を変化させる要因(科学の芽賞)

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  先日紹介した「科学の芽賞」を受賞した中学2年女子生徒O.K.さんのテーマは『紅茶の色を変化させる要因』というもので、普段私達が飲んでいる紅茶に関する観察・研究です。
  彼女は以前から紅茶にレモンを入れると色が薄くなることは知っていましたが、ある時、紅茶に蜂蜜を入れると色が濃くなるということを見て、これは何らかの化学変化が起こっているのではないかと疑問を持ったようです。そこで、4つの実験を行ないました。
  まず「実験1」はレモンやグレープフルーツなど5種類の果汁の絞り汁を入れて色の変化を観察すると酸性度の高いものほど紅茶の色を薄くする作用は大きいことが判りました。そして、この実験1の結果を検証するために、次に「実験2」として、酸性物質であるクエン酸や酢を入れた場合とアルカリ性物質である重曹を入れた場合について変化を見ました。すると、クエン酸を入れたものの色が最も薄くなり重曹を入れたものの色は真っ黒になりました。これによって、酸性物質は色を薄くし、アルカリ性物質は色を濃くすることはわかりました。しかし、それでは蜂蜜はアルカリ性物質なのか?という疑問が湧いてきました。そのため検証しなければならない。「実験3」として、蜂蜜以外のガムシロップ、三温糖、黒糖等の糖分を紅茶に加えた場合の色の変化を見ました。その結果、蜂蜜や黒糖を入れた紅茶は中性であったにも関わらず色が濃くなりました。そして、色の濃さは蜂蜜、三温糖、黒糖の順になりました。この3つの共通点はミネラルが多く含まれているということです。
  更に彼女は黒豆を炊く際に鉄釘を入れると黒くなることを思い出し、鉄が紅茶に何か作用したのではないかと考えました。その考えを検証するため、「実験4」として紅茶に鉄釘を入れてみました。その結果、紅茶は真っ黒に変化しました。
何が作用したのか調べたところ紅茶に含まれる「テアフラビン」という紅茶の色素が酸性・中性・アルカリ性の液体の中で構造を変化させ色を変えるということがわかりました。蜂蜜を紅茶に入れると色が濃くなるという現象は蜂蜜に含まれる鉄分が紅茶に含まれるタンニンに作用するということです。
  私達の日常生活の中には、気を付けてみると疑問に思うことが数多くあるようです。なぜ?という疑問を持ち、それを解明するという習慣を身につけることは、非常に大切であると感じました。