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【中高英語科より】第1回 授業研究大会 ②

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 中学3年生で行ったCLILによる授業-The secret of PET bottles―を紹介します。

 CLIL(クリル)とはContent and Language Integrated Learning(内容言語統合型授業)の略称で、科目の内容やトピックとそれを学ぶための言語(語彙や表現など)を同時に同じ比重で学びます。授業では4技能を活用しながら、様々な思考(理解から分析、評価、創造といったレベルまで)を必要とするタスクに取り組みますが、それらは助け合って学び合い成長し合う共同学習が中心です。
 今回はペットボトルを題材にし、身近なものを理科で習ったことと関連づけて再発見する面白さもぜひ伝えたいと考えました。以下は断片的ですが、課題に取り組む生徒たちの様子です。

<ボトルの特性を理解するジグソーワーク>
20171225-1.jpg A,B,C3種類のボトルについて、まず同じボトル担当者ごとのグループで理解を確認し合った後、A,B,Cそれぞれの担当からなる3人のグループに分かれ、一人一人が自分の担当するボトルの説明をしています。3人それぞれに異なるボトルが課されているので人任せにはできず、いやでも英語を話すことになりますが、生徒たちの表情は満更でもありません。

<応用課題への取り組み>
20171225-2.jpg 飲料水の成分表からボトルに必要な条件を考え、制限時間内に英文の説明とボトルのデザイン画を仕上げます。3人のチームワークとともに先に扱った3種のボトルとは異なる条件に気づく応用力が問われましたが、「英語が苦手でも他の人が助けてくれたのでよかった。」「人それぞれ意見が違って面白かった。」「役割分担して協力しながら意見交換するのが楽しかった。」と生徒たち。次々にオリジナル作品が出来上がり、代表グループの発表の後、本物のボトルを見せて種明かしをしました。

<発展課題>
20171225-3.jpg 最新のペットボトルと企業の取り組みの情報と“Lifecycle of a plastic bottle” という動画をもとにペットボトルの問題点を考えます。What can you reduce? という問いに「ガソリンスタンドのように飲料水の自販機を置き、量り売りをする」など石油資源や環境の問題を取り上げたユニークなアイデアが集まりました。身近な題材からグローバルな問題に目を向けることもクリルの狙いです。グループワークを楽しみ、「内容も出てくる単語も知らないものばかりで面白かった」「違う題材でもやってみたい」という生徒たちに、クリルの確かな手応えを感じ、次につないでいきたいとの思いを新たにしています。
(2017.12.20 中高英語科教諭 高砂千聡)