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【中高英語科より】第1回 授業研究大会 ③

20180108-0.jpg 昨秋の授業研究大会で高1生たちは「ヒトがヒトであるというのは、どういうことか」という簡単に答えの出ないテーマに挑戦しました。

 まずCommunication 1でJane Goodall博士のチンパンジー研究について得た知識を、インターネット上に公開されている同博士のスピーチで確認するところから始め、
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両生類や爬虫類などの生き物とヒトとの距離を考えるグループ・ワークを経て、
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哺乳類と比べながら、自分たちが大事だと思うヒトの特徴を絞り込んでいきます。
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 狙ったのは、英語という道具を使った「深い学び」、‘Demand High’。指導・コメントをいただいた先生方からもactive thinkingに溢れた教室だったというお言葉を頂戴しました。

 さて生徒たちの感想は如何に。「人間と他の動物を比較して考えることは初めてだったので、いろいろなことを知った」“There were a lot of words I didn't know, but after I checked them in the dictionary, I could remember and use them.”人類学の知識と英語の表現を同時に学べていたという嬉しいコメントです。

「授業中だけでなく休み時間や放課後を使って『あーだ』『こーだ』言いながら文章を組み立てていくのはとても楽しかったです」「班のメンバーにたくさん助けられました。一人だったら絶対できなかったと思います」“It was a little difficult for me to think about ‘what makes us human,’ but I kept thinking because my teammates helped me. So I had a great time.”と仲間の大切さを語ったものも多数ありました。

 そして「日本語も使えたから深いところまで話し合えた」という感想も。English or Japaneseではなく、English AND Japaneseで活躍していく生徒たちには、まさにこうした複数の言語を同時に使う「旨味」を、もっともっと味わってほしいところです。
 今回、生徒たちが最も大切なヒトの特徴として挙げたのは、language (言語), reason (理性), civilization(文明), progress(進歩)などの抽象概念でした。母語だから到達できる結論や思いを、どうグローバル言語としての英語で表現したら伝わるのかを、生徒たちは画像やプロップを使って、日本語を使わずに届ける工夫を凝らしました。その結果、他の発表を聴いている時も「どの班も内容がしっかりしていたり具体例が面白かったり、特徴があって面白かった。またやるときは、もっと工夫した面白く聞きやすい文を作りたいです」「他の班も発表しているのを聞いていると、どれも人間に似ている点が多かったので改めて違いを探しました」とactive listeningができていたと思います。
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 「日本語はすらすら出てくるのにそれを英語にできないもどかしさを何度も感じました。話を聞いてもらうために笑ってもらいたかったのですが、なかなか難しかったです」“I wanted to use more English, but I didn’t know the words. I need to study English, and I want to talk with people in the world.” コミュニケーションに最も大切な「伝えたいという思い」強く感じる場を用意すること、これは私たち教師の最も大切な仕事ではないでしょうか。
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 “I had no idea about chimpanzees before I made this speech, so I think there are a lot of things about other animals I don’t know. I want to look into them.” 「出来ることをやっても意味がないと思うので、このような使える、しゃべれる英語をきたえる機会がもっと増えればいいなと思います」と感想を述べた生徒たちはこの冬、English Book Reportや、大学入試問題を出発点としたプレゼンテーションにも挑戦中です。(中高英語科教諭 東野雅子)