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「あいさつ」は自分のため

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 小学校では、生活指導の中で
かるく、つも、きに、づけて一礼あいさつ」
をスローガンに掲げ、取り組んできました。児童会役員のあいさつ運動、それに加え部活動の部長、副部長参加のあいさつ運動、交通部の活動など、たくさんの子ども達が朝の挨拶運動に取り組んでくれています。
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 今年度、私は毎朝エントランス前で子ども達にあいさつをしようという目標を立てました。子ども達の反応は様々です。遠くから大きな声であいさつする子、わざわざ立ち止まって深々と頭を下げあいさつする子、恥ずかしそうに通りすがりにつぶやくようにあいさつする子、まったく目を合わさずに通り過ぎる子。初めは、あいさつをしない子がいると、寂しく残念な気分にもなりました。しかし、やっているうちに、「あいさつは相手に言わせるためにやっているのではない」ということに気づきました。それに気づいてからは、同じ子どもでも毎日反応も表情も違うこと、先日まで目をそらしていた子が、少し表情を緩めたことなど、細かい子ども達の反応に気づくことができるようになり、その変化がうれしく感じられるようにもなりました。そして、あいさつに立つようになって、子ども達と授業で顔を合わせることが、以前よりもっと楽しみになってきました。
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子ども達は、授業で音楽室に入ってくるときに、「おはようございます」「こんにちは」と言って入ってきてくれます。私もそれに答えます。そういう授業は、ずっと穏やかな気持ちで進めることができます。歌を歌う時、私も子ども達の中に入って一緒に声を出して歌います。澄んだ歌声の中で一緒に歌えることで、幸せな気分になれます。私たちはどうしても「~しなさい」という教師の立場で指導してしまいがちですが、子ども達と同じ目線に立って物事を見ることにより、気づかされることもたくさんあります。
 あいさつは、自分と直接関係を持たないたくさんの人とつながることができる、そして、する方、される方、どちらも幸せな気分になる「魔法の言葉」だと思います。だれかにやらされるのではなく、自分から自然にあいさつができる子ども達を育てていける小学校でありたいと思います。
(小学校 生活指導主任 岡村圭一郎)