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「思い出の先生」の一言

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お世話になったT先生の話をします。この先生は人格者でまたユニークな先生でした。
お伝えする話は先生がご自身の体験談をなされたときのことです。

T先生が子供の頃の授業中のことです。担任の先生に教科書を読むよう指名され、立ち上がって音読し始めたところ、クラスのみんなが一斉に笑い出したことがありました。
20180615-1.jpg不思議に思い、周りを見てみると、自分より前に座っている生徒ばかり笑っている、手元の本をよくみてみると、前の日に、この教科書の表紙が破れて取れたため、自分で「本の表紙」を本体の部分にのりで貼り付けたのですが、小学生だったT先生は「まちがえて」、表紙を上下逆さに貼り付けたため、周りの生徒から本を逆さまに読んでいるようにみえてしまい、笑われたようでした。

T先生は子供のころの笑い話としてお話になられましたが、その先生自身裕福ではない家庭で育ち、また二人のお兄さんが使ったあとに譲り受けた教科書であったため、痛んで表紙がはずれたのでしょう。
先生は本を大切に使い続けることを伝えたかったと思います。

いまは、ものが潤沢にありあふれている時代です。また参考書も含め、いろいろな書籍があります。
一方で、教科書一冊をしっかりと読み込み、手垢がつくくらいまでやり遂げることも大切だと思います。
このT先生はけっして「ものを大切にしなさい」とおっしゃられませんでしたが、こうしたストーリーを通じて真意を伝えられた先生の素晴らしさを思い、印象に残る「一言」として記します。
(中学校・高等学校 事務長 竹内俊博)