« 進路指導研究会での講演 | メイン | 自治会とタイアップした清掃活動 »

飛鳥での体験

p0520.jpg
 5月14日(日)、社会科担当教諭の引率のもと、高校3年日本史選択者有志20名が、いま期間限定で公開中のキトラ古墳の「白虎」の壁画見学と明日香の遺跡、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館のバックヤード見学に参加しました。
 近鉄橿原神宮前駅から白虎が公開されている飛鳥資料館までは、レンタサイクルで菜の花揺れる田園風景の中を楽しみながら走行。資料館では実に1時間以上も待った後、ついに「白虎」と対面、美しい躍動的な姿を目の当たりにし生徒達も感慨ひとしおだったようです。昼食の後には、飛鳥寺へと向かい「入鹿の首塚」や飛鳥大仏についての説明を聞き、続いて石舞台古墳で石室を見学した後、橿考研付属博物館へと向かいました。
 博物館では、特別に収蔵庫や学芸員室などを見せていただき、普段は展示ケースのガラス越しにしか見られない土器や埴輪・石鏃などを間近に見て、大いに興味を覚えたようです。
 今、学校における通常の授業では時間的な制約もあり、なかなか実物と接する機会がとれず座学中心になってしまう傾向があります。しかし写真で見るのと実際に自分の目で確認するのとは感動の深さにおいて大きな差があるのは間違いありません。生徒達がこれまで体験していなかったものに触れることにより、興味を覚え将来の進路に結びつくということは数多く見られます。現在社会で活躍している人に“どうしてこの道を選んだのですか”という質問をすると“あの時体験したことが忘れられなくて”という答えがしばしば返ってきます。
 教育の原点は、まさに生徒達が持っている限りない可能性を引き出してあげることではないかと思っています。今回は「本物を見て何かを感じて欲しい」という教師一人の思いが、生徒達に広がるということになりましたが、これからも数々の体験を通じて生徒達が自分の将来の進路について考えるようになって欲しいと願っています。

 この見学会ではもうひとつ思いがけない出来事が起こりました。白虎の展示室を出たところで、女性の新聞記者から生徒と大下教諭がインタビューを受けたのです。実は大下教諭は大学生時代にキトラ古墳の極彩色壁画の確認につながる測量をしたという貴重な体験をしており、この内容は『24年後壁画と初対面』という見出しで翌日の朝日新聞の奈良地方版と翌々日の阪神版に掲載されました。