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将来の夢と希望

文化祭は多くの人達の力が結集され感動のうちに終了しましたが、改めて本校の生徒達のさまざまな面での資質の高さを認識することができました。土と炎の詩人といわれた陶芸家である河井寛次郎氏の言葉に〝過去が咲いている今、未来の蕾で一杯の今〟がありますが、一人ひとりがまさに将来大輪の花を咲かせる多くの可能性を持っていると思います。誰でも何かきっかけをつかみ明確な目標を持つことができれば、人に言われなくても自ら進んで努力を傾注するものです。
しかし、最近の若者が将来に対する夢や希望を持っているかどうかは疑問です。私は色々なところでお話しする機会がありますが、必ず「現在の日本は恵まれているか」「日本の将来は明るいか、暗いか」という質問をすることにしています。これに対する答えはほとんどが「現在の日本は恵まれているが、日本の将来は暗い」というものです。校長や教頭、教員といった学校関係者、保護者、一般市民の皆さん等全く同じ答えが返ってきます。日本の大人達が抱いている将来に対する不安が子ども達に伝わっているのは間違いありません。筑波大学が実施した日中韓三カ国の中学3年生の意識調査によると将来に対して大きな希望を持っていると答えた生徒は、中国が91%、韓国46%に対し日本はわずか29%です。同様に日本青少年研究所が実施した日韓米仏の中学・高校生調査によると21世紀は希望があると思うは34パーセント、また人類は幸福になれると思うは35%だけです。80%を超える国がある中で、この数字は極めて低いと言わざるを得ません。
 今、社会は大きく変化しています。変化するということはこれまでのやり方やシステムが通用しなくなります。またバイオ(生物・生命)・インフォメーション(情報)・ナノ(微細)・エコ(環境)等の新しい技術が続々と生まれてきています。これからはグローバル化の進展に伴い、活躍できる場はどんどん広がってくるのです。このような現状を大人達がしっかりと把握し、子ども達に伝えていかなければなりません。もっと我々大人がしっかりと勉強していかなければならないと思います。将来に対する夢や希望を持たずに子ども達が勉強しているということでは決して学力は向上しないでしょう。
 学校や家庭は子ども達が自分の夢や希望を育む場でなければならないと思っています。