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目覚まし時計はドラの音

 9月20日(水) 秋晴れのもと全校朝礼で前回約束していた“インドネシアにおけるイスラム教”というテーマで話をしました。前回の開催は6月21日でしたが、何故か水曜日に雨の日が多かったため、実に3ヶ月ぶりということになってしまいました。
 最初インドネシアに行く時に、目覚まし時計を3つ持っていったが、全く使うことがなかった。その理由は毎日夜明けと共にお祈りのための大きなドラの音が鳴り響き、いっぺんに目が覚めたというエピソードを披露しました。また、会社の中にはモスク(寺院)があり、誰もが礼拝できるようになっている。会議は礼拝の時間を考慮して開催されるが、時に長引くと全員がそわそわし出し、やがて1人、2人と席を立って礼拝のために抜け出してしまい、気がつくと残っているのは日本人だけであったとか、1年に1回断食月(ラマダン)があって、日の出から日没まで太陽の出ている間は水や食物を一切口にしないため、能率が上がらず大変苦労したという体験を話しました。
 最初はどうしてこのようなことをするのか疑問に感じましたが、日が経つにつれて、すべてイスラム教の教えに従っているのだということがわかってきました。イスラム教はユダヤ教・キリスト教と並ぶ一神教です。イスラムという言葉は、「神への帰依」という意味であり、聖典である「コーラン」は神の言葉そのものです。そして、イスラム教徒(ムスリム)には『六信五行(ろくしんごぎょう)』という義務があります。
 「六信」というのは、ムスリムが信じなければならない「神」「天使」「啓典(コーラン)」「預言者」「来世」「天命」の6つであり、「五行」はムスリムが行わなければならない「信仰告白(アラーの他に神なし)」「礼拝」「断食」「喜捨」「巡礼」の5つです。礼拝はメッカ(サウジアラビア)に向かって、1日5回行うことになっているのです。
 彼らは、ムスリムとして忠実に神の教えを守っているだけなのです。そしてインドネシアでは、宗教を持たない人は会社の要職にあっても全く尊敬されません。
 世界には190を超える国がありますが、現地の生活習慣や食生活等はこのように宗教に根ざしているものが多いのです。今後国際社会で活躍していくためには、相互理解が必要であり、その国の宗教を理解していくことが不可欠であると思います。
次回は、インドネシアの食文化について話しする予定です。