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米作りが育てた日本人の心

 今週の全校朝礼において、日本民族というテーマで話をしました。近年、急速にグローバル化が進み、さまざまな国の人達と接触する機会が増えてきました。本校においても現在5名の留学生を受け入れていますし、毎年何人かの生徒達はニュージーランドやオーストラリア、カナダ等に研修に行っています。外国の方からはよく「日本はどういう国ですか」とか「日本人はどういう民族ですか」といった質問が出されますが、特に日本人ということに関しては明確に答えることができないことが多いようです。しかし、日本のことを理解してもらうためにはしっかりとPRしていくことが大切です。
 日本人を語る時には色々な切り口がありますが、日本人の生き方や日本文化は米抜きでは考えられませんし、日本人の民族性や祭り、生活様式、芸術等の多くが米と関係が深いのです。このように日本人の特徴は米作りを中心とした農耕民族であり、その根底には〝和〟の精神が脈々と流れています。
米の特徴は連作が可能であり、生育のためには大量の水が必要であるため、温暖で降水量の多い日本の気候には適していました。この結果、何代にもわたって同じ土地に住むようになりましたが、先祖代々にわたって生活するとその土地に対する強い愛着が生じますし、先祖以来の知り合い、血縁、地縁による強い結びつきを持つようになります。また、開墾や灌漑等は個人労働では無理ですし、田植えや刈り入れ等は集団で行なうことで大きなメリットが得られます。一方、病虫害を発生させると自分だけではなく他人に大きな迷惑をかけることになります。
 このように我々日本人は米作りを通じて、勤勉性、団結心、協調性、合議、迷惑をかけない意識、気配り、思いやり等を身につけてきたのです。
 現在、国際社会は混迷が続いていますが、我々日本人が永い年月をかけて培ってきた和の精神に誇りを持ち、世界の平和と発展に尽くしていきたいものです。