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ニュージーランド後記~教育事情

今回の出張でニュージーランドの教育事情についても色々とお聞きしました。ニュージーランドには、全土で小学校(Primary School)は約2200校、中高校(Secondary School)は約300校がありますが、ほとんどが公立学校で国の管理下におかれているようです。この他に少数の私立校もありますが、ほぼ教会系の学校です。公立校の必修科目は英語、数学(算数)、理科、テクノロジー、社会、芸術、保健体育。そのほかに選択科目があります。イヤー9~11は日本の中学に相当し、基礎学力を養成する期間と位置づけられています。そして、義務教育修了の年齢に当たるイヤー11では、この3年間にどれほど基礎学力がついたかをはかるための全国共通学力試験のレベル1を受験します。この後は、そのままイヤー12に進学する学生と、職業技術専門学校に進学する学生および、少数ですが就職する学生とに分かれます。
さらに、イヤー12・13で受ける共通学力試験のレベル2・3 の結果によって、将来の進学する大学が決まることになります。また、将来専攻する学科で必修基礎科目として指定される科目を受験しておく必要があるため、ニュージーランドの生徒は、日本の高校生にあたる年齢 のうちから、将来の専攻を見据えた勉強をすることになっています。
次にニュージーランドの教員の勤務実態も日本とは異なっています。週の勤務は5日制ですが、週の持時間数は通常25時間となっており、空き時間は3時間しかありません。一方、日本のように部活動を見るということはありません。また、原則として二つの教科(例えば数学と理科)の資格を持つことが義務付けられているようです。また、勤務時間以外に他の仕事をするということも制限されていないようです。新学期は2月から始まりますが、その前の12月と1月には7週間の夏休みがあります。この間は他の仕事をしても良いことになっており、自動車の運転手をしたり、自ら農業に従事する人も多いようです。 給与は年間で決められており、それが12等分されて支給されているとの事ですが、授業を選択する生徒が減れば通信教育に切り替えることになっており、その授業を担当していた先生の給与は大幅にダウンする。また、給与のランクは8つに分かれているが30歳台で最高ランクに到達するため、その後は給与が上がらない等多くの面でニュージーランドの教育事情が日本とは大きく異なることを実感しました。