« 教育実習の総仕上げ | メイン | 教育実習生に送る~⑥エネルギー問題 »

教育実習生に送る~⑤21Cは水の世紀

  20Cが「石油の世紀」と呼ばれるなら21Cはまさに「水の世紀」です。
この意味は“水によって世界が幸せになる”というのではなく“水をめぐって世界のいたるところで紛争が起きる”ということです。
地球上に生存できる人間の限界は70億人という説がありますが、現在既に世界人口は65億人を突破しており、このままでは10年後には72~3億人、20年後には80億人を超えることになります。
  世界水ビジョンによると、2025年には世界人口の4割が深刻な水不足に直面するということになっています。今でも毎年300~400万人が水系の伝染病により、また200万人以上の児童が下痢で死亡しているという実態から見ても、水というものに真正面から取り組んでいかなければならないと思います。
 以前アラル海の悲劇が伝えられましたが、隣国の中国では三大河川の一つと言われていた黄河が干上るといった事態が起きたり、世界各地で砂漠化が急速に進行しています。水が不足することにより植物が育たなくなり土地の荒廃が進みます。これまで木に蓄えられていた水がなくなり更なる砂漠化を生み出し、農作物が育たない環境に繋がっていくということになります。米1kgを生産するには約8t、小麦なら4tの水が必要ですし、牛や豚、羊等の家畜を育てるには穀物の4~10倍位の水が必要になります。
 梅雨や台風による降雨のため定期的に水がもたらされる日本は幸運であると思われますが、食料の60%を海外に依存し、さまざまな工業製品を輸入していることを考えると、水不足は大きな影響を我々の生活に与えると思わなければならないのです。現地の水を使って作られた品物がないと、日本社会は成り立たないということを肝に銘じておかなければなりません。

 実習も明日で終了します。この期間中には多くの経験をしたことと思いますが、最後までしっかり取り組んでほしいものです。