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教育実習生に送る~⑥エネルギー問題

  20世紀は工業化の進展とともに石油が貴重な資源と位置づけられてきました。また今世紀に入ってからも従来のOECD諸国に加えBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の飛躍的な経済成長により地下資源の減少や枯渇といった問題が生じてきています。石油については常にあと30年間で無くなると言われながら新たな油田の発掘がなされてきましたが今のままだと本当に30~40年で石油がなくなりその後10年でガスもなくなりそうです。
  最近の中国を見るとエネルギーの確保を国家戦略と位置づけ、アフリカや中近東を中心とした資源保有国に急速に接近しはじめています。また紛争が続くイラクや核開発問題で揺れるイランをはじめシベリア、サハリン、インドネシアの天然ガス等エネルギーをめぐる動きはますます活発化してきています。世界の発電量という観点で見ると火力が67%(3分の2)水力(17%)と電子力(16%)を合わせて33%(3分の1)となっています。
  一方日本のエネルギー事情を見ると自給率はわずかに17~8%に過ぎません。但しこの中には原子力発電分が含まれているため厳密に言えば水力発電分の4%しかないのです。言い換えると使用しているほとんどすべてを海外に依存しているということになります。日本におけるエネルギー問題は“海外依存度を減らす” “安全性を確保する”という二つの切り口で取り組まなければなりません。
  他国の例を見てもデンマークでは20%が風力発電になっていますし、ドイツでも4%という数字になっていますが、日本独自のエネルギー対策を早急に打ち出していく必要があると思います。これにはゴミを燃やす廃棄物発電、 家畜の糞や食品廃棄物を利用するバイオマス発電、潮力発電、燃料電池、太陽電池、日本海溝に眠っているメタンハイドレート等があげられます。
 また、最近バイオ・エタノールが脚光を浴びるようになってきましたが、人間の食料をエネルギーに振り向けることに対する論議も今後大いに出てくると思います。いずれにしても日本にとって重要なテーマであることは間違いありません。

  本日で教育実習が終了しました。実習生の皆さんには、これまで掲載した内容も含めて、直筆の校長メモを10枚お渡ししました。いずれも我々にとって身近な内容であり、マスコミ等では常に報道されているものばかりです。今後の研鑽を心より祈っています。