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日本の文化と歴史~相撲の由来

  7月22日(日)は大相撲名古屋場所の千秋楽でしたが、モンゴル出身の横綱朝青龍の優勝で幕を閉じました。
  わが国の国技と言われている相撲は、最近では残念なことに人気が低迷し、野球やサッカーやテニス等に主役を奪われていますが、古事記や日本書紀に登場するほど古い歴史を持っています。「すもう」の語源は争うという意味の「すまひ」が「すまふ」となったと言われており、古代には格闘技としての意味合いが強いものでした。その後平安時代には力のある男性が神前で天下泰平、子孫繁栄、五穀豊穣、大漁を祈り、その力を捧げる神事として確立しました。続いて鎌倉時代以降の武家社会には武道として奨励されることになり源頼朝や織田信長は度々上覧相撲を催しました。更に江戸時代には芸能や職業スポーツとして位置づけられ、今日の大相撲の基礎が築かれることになりました。
  世界には固有の格闘技を持つ民族が数多くありますが、相撲はこれらとは大きく異なる面を有しています。丸い円の土俵、着用するのはまわしのみ、髷(まげ)を結う等は独特のものですが、それ以上に天皇や皇太子等のロイヤル・ファミリーとの結びつきが強いのです。かつて天皇が神事祈願される相撲節会(すまいのせちえ)では、相撲が催されましたが、この際天皇は北側に座られることになっていました。東の横綱が最高位というのも天皇の左側に位置しているからであり、むこう正面が南というのもこの理由なのです。また、土俵の周りには青・白・赤・黒の房がありますが、これは、それぞれ東は青、西は白、南は赤、北は黒を示しているのです。
  高松塚古墳にもそれぞれの方角に青龍、白虎、朱雀、玄武の四神が祭られていますが、同じ考え方です。我々が日常何気なく接しているものの由来を辿るとそれなりのさまざまな意味があるものだと感じています。
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