豊かさの反動~将来に対する夢や希望
日本は戦後めざましい経済発展を遂げ、世界でも有数の恵まれた国になりましたが、随所に豊かさの反動が出てきているようです。
今週、各学年ともクラス担任は生徒、保護者との懇談を実施していますが、校長室のドアを開けていることもあり、気軽に校長室に立ち寄られる保護者の方もおられます。本日も何人かの保護者の方とお話しましたが、「困っておられることは何ですか」という質問に対して、しばしば「なかなか目標が決まらない」とか「もう一つ学習に身が入らない」という答えが返ってきます。また、日常生徒達と話をしていても「今勉強していることが将来社会に出て役立つとは思えない」というような言葉が発せられることも少なからずあります。残念なことに、このような傾向は日本の中学、高校生の間に広がってきているようです。
日本の教育研究機関が中学、高校生に対して意識調査をしていますが、このうちの代表的なものを紹介すると次のようになります。
①筑波大学研究グループが中学3年生を対象に調査
『将来に対して大きな希望を持っているか』に対する肯定意見
中国91% 韓国46% 日本29%
②日本青少年研究所が日・韓・米・仏の中学生、高校生を対象に調査
『21世紀は希望に満ちた社会か』に対する肯定意見
韓国70% フランス64% アメリカ36% 日本34%
③日・米・中・韓の高校生を対象に調査
『科学の進歩で人類はより幸福になれるか』に対する肯定意見
中国81% アメリカ68% 韓国56% 日本35%
いずれの調査にしても、日本の中学・高校生がいかに将来に対して悲観的な物の見方をしているかがわかります。
これは単に子ども達だけの責任なのでしょうか。子どもは親の鏡、社会の鏡という言葉がありますが、反省すべき点が数多くあるように感じています。
何よりも我々大人が将来に対する自らの夢や希望を持ち、子ども達に語りかけていきたいものです。