日本を考える
8月6日(月)は広島に原子爆弾が投下されて62年目になります。私事で恐縮ですが、当時呉市に住んでいた両親はピカッと光る閃光もドンという大音響も経験したそうです。この日には多くの友人、知人が死傷し、救助のために被災地に向かった人も後日体調不良で亡くなったという話を何度も私達に聞かせ、原爆の恐ろしさや戦争の悲惨さを訴えていました。
年月が過ぎ、被災した人の平均年齢は70歳をはるかに超え、この出来事が風化されようとしています。そして、今や戦争を全く体験したことのない人が日本人の大半を占めるようになってきました。まして、豊かな時代に育った若者達はこれが当たり前のような感覚で毎日を過ごしているのではないかと思います。戦後60余年を経過し、確かに日本は物質的には豊かになり便利になり、一時は世界から「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれるまでの経済大国になりました。しかし、この中で失ってきたものもたくさんあるように感じています。かつて日本は美しい国、日本人は礼儀正しい民族であり、日本文化の特徴は〝恥の文化〟であると言われていました。しかし、美しかった故郷の棚田や森は姿を消し、河川や海は汚れ、世界中から食糧を集め、使い捨て商品や廃棄食材によるごみは溢れ、冷暖房・光・輸送にかかるエネルギーを無駄遣いする等の憂慮すべき状況になっています。また、日本人の美徳であった羞恥心や奥ゆかしさ、思いやりといったものも消失してきています。
更に、この10年間国際的に見ても日本の地位は大きく低下しつつあり、ここでしっかりとした対策を講じないと取り返しがつかないことになると思っています。
これから何回かに分けて日本という国の現状を明らかにし、色々なことを考えてみたいと思いますので、参考となる情報があればお送りください。