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日本の食を考える~食料自給率

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 「生活を維持していくために必要なものは何か?」という質問に対しては、さまざまな答えが返ってくると思います。しかし、「最低限に必要なものは?」というと命を維持していくためのもの、つまり水・食料・エネルギーということになります。今の日本における最大の課題はこの主要な三つの多くを海外に依存しているということなのです。
 スーパーやデパートの食料品売り場に行くと、世界各国から溢れんばかりの食材が並んでいます。そして、食料の自給率(供給熱量ベース)は先進国で最低の状況となっています。2002年時点で見るとフランス130%、アメリカ119%ドイツ91%、イギリス74%、スイス54%、韓国50%に対して、日本は40%しかなく、現在に至っています。しかし、最初からこのような状況であったのではなく過去40年間で急激に変化(低下)してきたのです。1965年(昭和40年)には73%であり、上記の国の中でもアメリカ、フランスに次ぐ順位であり、ドイツとほぼ同じ水準だったのです。その後1975年(昭和50年)には54%と急激に低下し、更に1985年(昭和60年)には40%という水準になりました。この40年の変化を見ると摂取する総カロリーには大きな変化がありませんが、米が激減し、畜産物と油脂が大幅に増えているのです。
 今、世界人口の増加とBRICsをはじめとする国々の大きな経済成長の結果、世界のいたるところで食料の争奪戦が起こり始めてきました。自給率の低さは言い換えると海外依存度の高さということです。このことは多くの食料を輸入している国が日本への食料輸出を停止するということになると、たちまちのうちに危機に陥るということを意味しているのです。
 国民一人ひとりが食に対する認識を高めていきたいものです。

 また、8月7日は『バナナの日』です。後日、バナナについてのエピソードを紹介します。