笑いの効用
9月5日(水)、残暑厳しい中全校朝礼を行ないました。いつもこの場では最初に部活動の表彰を実施することにしていますが、夏季休業中の大会で活躍した生徒が数多くいたため、長時間を要することになりました。これは日頃の部活動の成果であり、実に素晴らしいことであると思います。
暑さで気分が悪くなる生徒が出ることが予想されるため、本日の話は次のように極力短くすることにしました。
「怒らずににこにこと笑っている人は概して長寿だが、これには科学的な根拠がある。一升瓶に通常の精神状態で息を吹き込み、その中にハエを入れると約40分で窒息死するが、激怒した状態で息を吹き入れて同じことをすると3分間でハエは死んでしまう。昔からよく毒気に当てられたという話があるが、人間は気づかないうちに毒気を吐いている。従って、怒ったり、愚痴を言ったり、不平不満を言っていると自分自身の肉体を蝕むことになる。明るく元気で生活しよう。」
時間があれば、ゆっくり話をしたかったのですが、このことは実はワシントン大学の心理学者である ケーツ博士の実験で証明されているのです。ケーツ博士は、普通の状態の人と激しく怒っている人の呼気をそれぞれガラスの入れ物にとって、これを液体空気で冷却するという実験を行なったのです。そうすると共に凝結した水滴が得られます。次にこの凝結した水滴を蒸発させると、精神的に平静な人の場合には後に何も残らないのに、怒っている人の場合には、灰色のカスが残りました。そのカスを水に溶かして実験用の動物に注射すると、その動物は苦悶してすぐに頓死しました。続いて憤怒の状態の強弱によって実験したところ、毒性の強弱も異なることが解ったのです。一時間 怒り続けていた人の呼気をすべて摂取して得られた毒性を、実験用動物について検査すると、数百頭の動物を即座に倒すことができ、それは70人の人間が死亡する毒性に相当することも実証されました。
人に嫌味を言われた、人に相手にされなかった、いじめに遭った、仕事で失敗した、友人に裏切られた、危険な思いをした、家族が死んだ、大きな怪我をしたといったことにより、トラウマ(心の傷)が生ずることがあります。人の体は脳の働きで左右されており、強いストレスがかかったり怒りの感情等が沸くと、有害物質であるアンモニアを作り呼気から排出するのです。その毒性はとても強いもので、このような状態が日常くり返されていると、身体に与える悪影響は計り知れないものがあるそうです。
古来より「笑う門には福来る」と言われています。どのような時にも、愚痴を言わない、落ち込まない、相手を悪く思わない、非難中傷しない、多くの艱難を受け止め、笑顔で生きてゆくことが大切なのではないでしょうか。