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社会人基礎力2 ~前に踏み出す力~

  昨日紹介したとおり、社会人基礎力は「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで動く力」の3つで構成されています。それぞれは個別ではなく相互しあうことで、他の人々と共に多種多様な仕事を成り立たせてゆく力となります。今日紹介するのは「前に踏み出す力」(アクション)についてです。「前に踏み出す力」は次の3つの能力要素に分類されます。
  一つ目は「主体性」です。
昨今、〝言われた事ならできるが自主的に行動できない〟といった指示待ち人間が増えてきています。言われたことをやらないというのは論外ですが、言われなければ行動を起こさないという姿勢では何事も上手くいきません。私も著名な大学出身にもかかわらず自ら動かないため常に業績の上がらない営業マンに「どうすれば販売が伸びるのか教えてください」と言われて愕然としたことがあります。他人にアドバイスを受けることは大切ですが、自らやるべきことを見つけて、積極的に取り組む事でなければなりません。「主体性」とは言い換えると、“物事に進んで取り組む力”のことです。これは別に企業に限ったことではありません。学校や家庭や地域社会においてもこの“言われなくてもやる”という姿勢が必要です。
  二つ目は「働きかけ力」です。
仕事の多くは、独力で達成するのは困難です。大きな仕事になればなるほど、多くの人の協力がなければ成り立ちません。そして皆がベクトルを同じくして一つの目的に向かわなければなりません。「働きかけ力」とは、ある目的に向かって周囲の人々を巻き込んで引っ張っていく“他人に働きかけ巻き込む力”です。立場によってはリーダーの示す方向・目的を理解し、自分を巻き込んでゆくことも大切でしょう。
  最後の三つ目は「実行力」です。
これは 物事に対して自ら目標を決め、失敗を恐れず粘り強く取り組むという“目標を設定し確実に行動する力”と言えます。実社会の仕事においては、学校の勉強のように必ずしも答えが一つに決まっているわけではありません。むしろ明確な答えのない問題ばかりです。失敗を恐れず果敢に挑戦するという勇気が何よりも大切です。例え失敗しても、それを糧にして粘り強く取り組むことが求められるのです。まさに〝やってみなはれ〟の姿勢そのものであると言えます。
  まとめると「前に踏み出す力」とは、自ら動き、他人を巻き込み、目標に向かって行動する能力ということになります。今一度自分自身を振り返ってみてください。
  次回は「考え抜く力」(シンキング)についてお話します。