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社会人基礎力を育てる

  平成18年2月、経済産業省から注目すべきレポートが発表されましたが、この中には「社会人基礎力」という言葉が使われています。このレポートは、わが国の経済活動等を担う産業人材の確保・育成の観点から、職場等で求められる能力(社会人基礎力)の明確化、産学連携による育成・評価のあり方について「社会人基礎力に関する研究会」を開催し検討された報告書であり、メンバーは諏訪康雄法政大学大学院教授を座長に産学官の20名の有識者で構成されています。
  最近、各企業の人事担当の方と話をすると、必ずしも大学や高校での学力が社会では役立っていないという言葉が返ってきます。言われたことはできるが、自ら考え行動できない、チームで仕事ができない、すぐに諦めてしまう等の人間が増えてきているようです。そして入社3年以内の退職は7・5・3と言われるように、中卒で70%・高卒で50%・大卒で30%に及び、この結果フリーターやニートが増えてきています。
このレポートの中で誰もが納得するのは、学力と社会人能力は必ずしも一致しないということです。

  私も永い民間企業での勤務を通じてこのことを痛感してきました。そして社会で役立つ力は単なる知識ではないということ、点数ではかれる力とはかれない力があるが、“社会で役立つ”のはむしろ後者の方が大きいということ、そして、著名な大学を出てきてもしっかりと仕事ができないのは、点数ではかれる力を重視する知識偏重型の学校教育や家庭・地域における教育力の低下にも問題があるのではないかと考えてきました。
  このレポートに記載されている「社会人基礎力」というものは、私が常々感じている“社会で役立つ力”と言っても良いのではないかと思います。そして非常に参考になったのは、社会人基礎力についての明確な定義です。この中では、社会人基礎力として「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで動く力」の3つが柱であるとされ、更にこれを12の能力要素に分類しています。
わかりやすい説明なので、この3つの力について次回以降に紹介していきたいと思います。