子どもは親の鏡 社会の鏡
本校の教育の基本的な考え方は、将来社会で活躍するリーダーの育成ですが、そのためには“人間力”すなわち人間としての根っこを育てることが不可欠です。昨今、学歴偏重が生み出した“学力のみのエリート”の弱さを実感させられるような話があまりにも多いように感じています。近頃多発している消費期限の偽装問題を取り上げても社会に対して自己の果たす責任を自覚していない、即ち「すべき事」と「してはならない事」の区別ができていないといったことは枚挙に遑(いとま)がありません。
子ども達を見ていて気になるのは、きっちりとした生活習慣が確立されていない、やってはいけないというルールやマナーが守られていないということです。また、今世界や日本の現状がどのようになっているのかといったこともあまり知りません。そして、将来について希望が持てない、日本の先行きは明るくない、と思っている子どもが数多く見受けられます。これは取りも直さず、社会や家庭の空気を読み取っているからではないかと思います。
日本の現状がどうなっているのかを知らないために、子ども達は不安を増長させているのです。現在や将来の世界や社会がどうなっていくのか、そのためにはどういうことが求められているのかを子ども達に話してやり、考える材料を与えてやらなければ、自分は何がしたいのか、何を成しえるのか、といったことが見えてこないでしょう。
最近、我々大人を見ると、子ども達には勉強の大切さを訴えていながら、自分自身はあまり勉強していないのではないかということを痛感しています。『子どもは親の鏡、社会の鏡』という言葉がありますが、大人がしっかりと現状を把握し、どのようにして課題を解決すべきかを考え、率先して行動に移していく。そして、子ども達に対して将来社会で役立つための正しい生活習慣や倫理観を植え付けていくことが大切なのではないでしょうか。
子ども達が日本の未来や自分の将来のことを考えることができるように、これからも世界や社会を知るためのテーマを紹介していこうと思っています。