社会で役立つ力とは
中学1年生の教室の様子
本校の教育の基本は、「社会で活躍するリーダーの育成」です。私もこれまで民間企業での勤務を通じて、多くの人達と一緒に仕事をしてきましたし、今でも色々な分野の方々とお会いして情報交換を続けています。
これまで「社会で役立つ力」については色々な機会を通じてお話ししてきましたが、もう一度整理してみたいと思います。
職場や地域社会で活躍するためには、まず「健康」で「体力」があることが必要です。いくら能力があっても病気がちであったり、すぐに寝込んでしまったり、ここ一番という時に無理がきかないということでは立派な仕事はできません。次に「人間性」とか「基本的な生活習慣」といったものがあげられます。
そして、これらのベースの上に、3つの力があります。1つは何と言っても「基礎学力」であり、2つは「社会人基礎力」であり、3つは「専門知識やノウハウ」です。
「社会人基礎力」とは、近年、経済産業省から発表された目新しい概念であり、以前何回かに分けて掲載しましたのでご覧になった方も多いと思います。従来は「学力」を測定すれば「社会人基礎力」はついてくるという考え方が一般的でしたが、最近では「学力」と「社会人基礎力」をそれぞれ個別に評価する必要が生じてきています。何故なら偏差値の高い大学を卒業しても、社会で通用しないといったケースが数多く生じてきているからです。
昔は学校を卒業すれば仕事に就くのは常識であり、取り立てて「社会人基礎力」などと言われなくても、親や先生、先輩と接することによって、自然に社会に適応する能力を身につけているというのが当たり前でした。つまり、本来の学力とは、社会人基礎力を含むものであったのです。しかし、学力はいつの間にか学校での成績という狭義のものになってきてしまいました。
この要因は、偏差値を中心とした学校教育や家庭・地域における教育力の低下ではないかと感じています。
本校は学校と家庭が連携して子ども達を『共育』するということを教育方針としていますが、これから何回かに分けて、社会で役立つ力について取り上げていきたいと思っています。