家庭での食育~23食べ残さない
わが国では年間2000万トンも食べ物のゴミが出ますが、これらは食品をつくる時、食品を売る時、食品を食べる時に発生します。ところが、発生の場所を見ると、食べ物のゴミのうちの半分は家庭から出ているのです。つまり、一年間で1000万トンの生ゴミが出ますが、この量は日本で消費されているお米の量に匹敵するのです。また、日本の家庭では買った食品の三分の一がそのまま捨てられているというデータもあります。
以前は冷蔵庫もなかったため、食べる分しか買いませんでした。また「食べ物を残すことは勿体ない。つくった人に申し訳ない。」という考え方が徹底していたように思います。
しかし、各家庭に大型の冷蔵庫が置かれ、更に自動車の普及によって食材を大量に購入するようになってしまいました。その上、食物を大切にするというわが国の伝統的な美徳が失われ、平気で捨てるようになってきたのです。
この結果、家庭から廃棄される生ゴミの量は飛躍的に増えてきました。そして、現在これらの生ゴミはほとんどが焼却処理されていますが、大量の水分を含んでいるため、膨大なエネルギーが必要になるのです。
このように考えると、食べ残しという行為は地球の温暖化防止という環境問題とも非常に深い関係があるのです。今一度、各家庭において食べ残さない、生ゴミを出さないということを徹底していただきたいと思っています。この問題については次回にもう少し詳しくお話します。