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商品づくりのポイント

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  1月28日(水)、中学の全校朝礼で商品開発の具体例として『温水洗浄便座』の話をしました。
 現在、温水洗浄便座を使っておられる家庭は年々増えてきており、1980年の発売以来、累計販売台数が2千万台を超える商品になってきていますが、これまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。当初(1960年)はアメリカから病院向け、医療用や福祉施設用に輸入されていました。その後東洋陶器(現TOTO)が商品化しましたが、販売価格が高い上に湯温が安定しなかったこともあって、なかなか売れませんでした。このため商品に改良を加えた後、新聞や雑誌、TV等を通じて宣伝しようとしましたが、品位が下がるということで受け入れてもらえませんでした。しかし、熱意を持って何とか関係者を説き伏せ、ついに「おしりだって洗って欲しい」というキャッチフレーズでTVコマーシャルを流したのです。それも夕食の時間を狙って行なったのです。これを見た視聴者からは当然のことながら「楽しい夕食の団欒の時間におしりのCMを流すとは何事だ」というクレームが殺到しました。これに対してTOTOは「人間にとって排泄という行為は食事と同様尊いものであり、誇りを持ってこの商品をお奨めします。」と答えました。
  その後、紆余曲折を経て乾燥、暖房、消臭、抗菌、省エネ、着座センサー等の機能が次々と付加され、今では家庭の必需品になっています。
  商品がお客様に受け入れられるためには、「安心」「安全」「快適」という視点を持ち、何よりもお客様の不満を解消するということが不可欠なのです。このように商品づくりの基本は相手の立場に立つことであり、普段からこういう姿勢を持つことが大切です。一度身近にある色々な商品をじっくりと観察してください。