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心に火をつける

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  多くの先生方の悩みは自分が懸命に指導しているのにも関わらず、生徒達がなかなかやる気になってくれない。そのため学力伸張がはかれないということではないかと思います。私も先週までに高校2年生の私立大学への受験を目指している生徒達に対する面接を行ないましたが、将来どのような道に進みたいという明確な目標を持っているかどうかがやる気に繋がっているのは間違いありません。
  今日は休日ということで久しぶりに吉田松陰の書を読み返して見ました。吉田松陰は松下村塾において幕末の志士を多く育てたことで知られていますが、もともとこの塾は松陰の叔父である玉木文之進が設立したもので、松陰が塾生達の指導にあたったのはわずか2年余りでした。そして、弟子入りを希望する若者達に対しては「私はあなた方に教えることはできない。しかし、共に学ぶことはできる。」と言っていたようです。松陰のこのような姿勢が、久坂玄瑞、高杉晋作、吉田稔磨など討幕運動の中で重要な役割を果たしながらも道半ばで倒れた者や伊藤博文、山県有朋をはじめ多くの国務大臣や大学の創始者など近代日本に繋がる大きな役割を果たした人材を育て上げたのです。その後、安政の大獄により江戸伝馬町において斬首刑に処せられました。わずか29歳という若さでした。
  教師のレベルについて、イギリスの教育哲学者であるウィリアム・アーサ・ワードは次のように述べています。
〝凡庸な教師はただしゃべる。良い教師は説明する。すぐれた教師は自らやってみせる。そして偉大な教師は心に火をつける。〟
  教育というものを突き詰めていくと、教えられた側の意識や行動が変わって初めてその使命が達成されると言えるのではないかと思います。生徒の心に火をつける教師を目指していきたいものです。