利用可能な水の量~環境クイズの答え(No4)
地球人口の爆発的な増加や地球温暖化等の影響で、安定した水の確保は21世紀における大きな課題になるのは間違いありません。地球は大量の水に覆われていますが、97.5%は海水で、真水は2.5%に過ぎません。このうち生活用水に利用できるのは0.008%しかありません。分かりやすいように地球上の水をバケツ一杯にたとえると、人間が使える水の量は小さじ一杯程度しかないということになります。
現在水不足に苦しむ人々は中東やアフリカを中心に世界で約5億人いると言われており、灌漑が整っていない等の理由で水がうまく利用できていない地域を含めると世界人口の3分の2が水不足という状況下にあります。
更に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた報告書によると、2050年までに利用可能な水資源が現在よりも10%~30%も減少する地域があると予測されています。
それではわが国の水事情はどうなっているのでしょうか。日本は毎年到来する台風等の影響で水が豊富にあると思われがちです。確かに日本の年間降水量は1718ミリメートルと世界平均の約2倍になっていますが、一人当たりに換算すると世界平均の3分の1程度しかありません。にもかかわらず水不足を実感しなくて済むのは食料を輸入することで大量の海外の水を使っているからなのです。また、この食料以外に材木も大量に輸入しているため、間接的に世界から水の供給を受けているということになります。
このような事実をしっかりと認識した上で、日常生活において水を大切に使うようにしていきたいものです。