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沖縄への研修旅行にあたって

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 今週の水曜日から中学三年生が、沖縄の研修旅行に出発します。私も引率の責任者として同行することになっていますが、本日は『旅行のしおり』に掲載した巻頭言を紹介します。

 〝今から7年前に「修学旅行」から『研修旅行』と名前をかえて体験型になった中学3年生の学年行事が実施されます。修学旅行の起源は1886年、東京師範学校の生徒が千葉県を12日間、長期遠足したのがはじまりとされています。鉄砲を持ち、隊列を組んでの行進は鍛錬を目的としていましたが、数年後には一般の学校が伊勢神宮などの参拝に訪れるようになったといわれます。
  さて、本校の研修旅行の舞台は、沖縄戦を学び、マリンスポーツ体験をする沖縄です。沖縄といえば、青い海と美しいサンゴ礁のリゾート地、あるいは先の大戦での悲惨な戦いの島、また、日本にある米軍基地の70%以上が集中する基地としてのイメージでしょう。そして、そのいずれもが沖縄のもつ顔といえます。しかし、それは近代以降の沖縄の顔です。江戸時代までの沖縄は独自の文化をもつ琉球王国という別の国でした。
  今回の研修で、私たちは「平和」と「環境」を学びます。 先の大戦で多くの方が、尊い命を落とされました。今もその心の傷を抱えて生きておられる方もたくさんいらっしゃいます。平和に関する史跡、祈念館も訪問します。伊江島でも島民の方からそういったお話を聞けるかもしれません。今日の日本の繁栄と平和には多くの犠牲の上で成り立っていることを今一度見つめ直して欲しいと思います。
  環境の面で見ると、沖縄は多様な生物が生息する地域です。マングローブ林の観察、サンゴの苗作り、生態観測など、自然とふれあう体験を通じて私たちが住む世界には多くの種類の生物がいることを再認識してもらえたら、と思います。また、ホームステイでお世話になる伊江島では、水資源が乏しく、さまざまな工夫を凝らしています。
  雲雀丘学園中学校の生徒として、沖縄の人、自然、平和とふれあい、この研修旅行が皆さんの心に残る有意義なものになることを願ってやみません。〟