小論文を考える
1月27日(水)、学研の山本聡志先生に”小論文を考える”というテーマで、大学受験を1年後に控えた高校2年生を対象に講演をしていただきました。近年、大学入試の方式は以前とは比較にならないくらい多様化してきており、国公立大学二次試験・公募推薦・AO入試等で小論文を課す大学が増加してきています。今回の講演の内容は、「大学が入試で小論文を課す理由」「小論文とは何か」「小論文を書く時のポイント」「これからの取り組み」等ということが中心でしたが、生徒達は真剣に耳を傾けていました。
最近、子どもだけではなく大人も含めて日本人の書く力が相当落ちてきているように感じます。これにはさまざまなことが考えられますが、何と言っても読書量が少なくなっているからであると思います。テレビや携帯電話、ゲーム機が普及し、これらに多大の時間を費やしているといったことやセンター試験に代表されるように正解を選択するような試験問題が多くなっていることも大きな原因ではないでしょうか。
今、世界は急激に変化してきており、さまざまな課題が現出してきています。これからはますますグローバル化や情報化が進展し、世界が多極化してきます。その一方で新しい技術が続々と生まれ、新しい仕事が限りなく創出されてくるのは間違いありません。この中で生き抜いていくためには、自分自身で物事をしっかりと見つめ、現状を正しく分析し、行動することが大切です。単なる知識の習得だけでは不十分であり、さまざまな情報をもとに自らの考えをまとめ、情報を発信していく能力が必要になってきます。社会では正答は一つとは限っていませんし、問題が与えられるわけではありません。自ら課題を見つけ出す力とそれを解決していく力が大切なのです。
このように考えると、自分の考えをまとめるのは〝これからの社会を乗り切る力〟であると言っても良いのではないでしょうか。生徒達が単なる受験のための一手段ではなく、〝社会で役立つ力を身につける〟というように受け止めて欲しいと思っています。