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授業始め式にあたって

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  1月8日(木)、授業始め式にあたって次のような話をしました。

  “今日から学校が始まりましたが、皆さんが元気に登校してくれて、大変嬉しく思っています。月日の経つのは本当に早いもので、12月22日授業納め式をしてから17日間(半月以上)が経過しました。この休みの間に普段できない経験をして欲しいということをお願いしましたが、どうでしたか?
  私は久しぶりに昔読んだ色々な本を読み返してみました。今日はその中の1冊でトロイの遺跡を発掘した「ハインリッヒ・シューリマン」の伝記を紹介します。
  シュリーマンは1822年(今から188年前)に、ドイツの片田舎で生まれました。そして8歳の時に牧師をしていたお父さんから古代ギリシャの詩人であるホメロスの書いた叙事詩「ホメロス~トロイの戦争」の話を聞かされ、心から感動しました。お父さんが「これは神話の世界の言い伝えだよ」と言うのに、彼はきっと本当にあったことに違いないと信じ込み、いつか大きくなったら、その遺跡を探そうと心に決めたのです。
  シュリーマンは、この夢を実現するためには、まずお金が必要であると考えて猛烈に働きます。雑貨店をはじめ、さまざまな仕事について苦労を重ねながら、一方ではフランス語や英語など10カ国以上の言葉を独力でマスターし、これを活用して大成功を収め、莫大な財産を蓄えます。そしてこの財産を元に41歳からついに長い間の夢であったトロイ遺跡の発掘の準備を始めます。お父さんの話を聞いてから実に33年という歳月が経っていました。しかし、何度も失敗を繰り返し、まわりの人からは嘲笑されながら、ついに神話が歴史上の事実であるということを実証したのです。
  皆さんはこの話を聞いてどう感じますか?
  何事も夢を実現するためには“絶対にあきらめないという強い思い”と“たゆまぬ努力”が必要です。“こうなったらいいな”“こうしたいな”という気持ちだけでは単なる願望に終ってしまいます。新しい年にあたって是非「自分の夢の実現」に向けて、力強く踏み出して欲しいと思います。インフルエンザはやや下火になってきましたが、今年も健康に留意して“明るく元気でイキイキと楽しく”生活しましょう。”