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子どもの心に灯をともす

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  日本の子ども達は他の国の子ども達と比較して、「夢や希望を持っている割合が低く、ハングリー精神に欠け、学習に対する意欲に乏しい」と言われていますが、この責任は我々大人にあるのではないかと思います。
  私は年に何回か講演する機会がありますが、その時にはいつも聴衆がどういう思いを持っておられるのかを質問することにしています。先日の講演会でも同じ事を尋ねましたが、〝今の日本は恵まれている〟〝日本の将来は暗い〟〝家庭教育は十分できていない〟〝学校教育には満足していない〟〝地域社会も一体となって子どもを育てていない〟という予想通りの答えが返ってきました。これは校長・教頭、教職員、保護者を対象とした講演会についても同様であり、子ども達はこれらの大人の思いを敏感に受け止めているのは間違いありません。この結果、子ども達が前向きに自分達の将来を明るいと考えることができなくなってきているのではないかと感じています。
  〝教育とは子どもの心に灯をともす〟ことであると言われていますが、何のために勉強するのかという意義が解らずに、漫然と勉強しているというケースが多いのではないかと思います。まさに〝馬を湖のほとりに連れて行くことはできるが、馬に水を飲ますことはできない〟という西洋の諺を今一度噛みしめるべき時かも知れません。
  人間はやらされているという気持でいる限り大きな成長は期待できませんが、しっかりとした目標を持てば、この達成に向けて自ら努力するものです。このように考えると、教育にたずさわる者は子ども達に夢を与えるということを常に意識しておかなければなりません。とりわけ〝現状の世界がどうなっているのか〟〝今後どのようなことが起こってくるのか〟〝その中で世の中に役立つ仕事にはどういうものがあるか〟といったことは最低限把握しておかなければならないと思っています。