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先人の言葉(佐藤一斎)

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  人間力を磨くためのヒントは社会に貢献されている人の話を直接聞くか、書物を通じて先人の教えを知ることが大切ではないかと思います。私もこれまでこのようなことを実践してきたつもりですが、まだまだ多くの面で未熟であると感じています。最近、休日には以前読んだ本を読み返していますが、是非教育の仕事に従事されている方や色々な分野の指導者の方にお奨めしたいのが、江戸時代末期の佐藤一斎先生が書かれた『言志四録』です。
  これは佐藤一斎が42歳から82歳までの後半生の40余年にわたって書いた語録で、「言志録」「言志後録」「言志晩録」「言志耋(てつ)録」の全四巻、1133条におよぶ修養処世の心得です。佐藤一斎の門下生として学び、語録によって影響を受けた人々の中には、佐久間象山、勝海舟、坂本竜馬、吉田松陰、木戸孝允、西郷南州、伊藤博文等数多くの明治の先覚者の名前があげられます。また、小泉元総理大臣が教育関連法案の審議の際、取り上げたため注目されるようになりました。
  この中のいくつかを紹介します。
◇「少にして学べば、則ち壮にして為すことあり 壮にして学べば、則ち老いて衰えず 老いて学べば、則ち死して朽ちず」
  少年時に学べば壮年になって何かをなし、壮年時に学んでおけば老年になっても気力のおとろえはない。老いても学んでおれば社会に役立ち名の朽ちることはない。
◇「学は立志より要なるはなし・・・」
  学問をするには、目的を抱きこれを果たそうとする心を固めることほど大切なことはない。 他から強制されることではなく自分の本心から出たものでなければならない。
◇「艱難汝を玉にす」
  我々が出会う苦しみや悩み、困難のすべては自分の才能を伸ばすために天から与えられたものである。これらを避けるのではなくどう克服するかを考えて行動すれば必ず自己成長をはかることができる。
  
  原書を読むのは大変ですが、多くの解説書が出ていますので、是非一読してください。