これからの学校経営~チャレンジ目標制度
これまで学校においては〝経営〟というよりも〝運営〟という視点が強かったようです。このやり方が通用するのは、環境の変化がほとんどなくすべてが右肩上がりの状態の時です。言い換えると、従来どおりのやり方をしておれば、大きな問題は生じないという時には効果的であったと思います。しかし、昨今のように環境の変化が大きな時には、従来踏襲型のやり方をしていれば必ずどこかに歪が出てしまうことになります。
学校が企業と大きく異なるのは、〝企業が全体の方針が示された後に個々人に対する具体的な目標が決まる〟のに対して、〝個々人の裁量に任されてしまっている〟ということです。そのため、他では耳慣れない〝校長・教頭の下に教職員が横一列に並んでいるという意味の「鍋蓋(なべぶた)組織」〟や〝誰の指示も受けず自分の裁量で思い通りにやれるという「一国一城の主」〟というような言葉も耳にします。このやり方の長所は自主責任という点であり、高い志を持って積極的に行動する人が多ければ、大いに力を発揮することができます。反面、最低限のことだけをやるという人が増えれば機能しないということになりますし、各人が好き勝手なことをやっていれば、方向が定まらず全体としての力は減衰されてしまいます。
一方、企業は従来の多段階のピラミッド組織の階層を減らし、意思決定の迅速化と自主責任制の強化をはかろうとしています。
はっきりしているのは、これからの学校にとっては、従来型の「学校運営」ではなく、「学校経営」という視点が不可欠であるということです。そして、円滑な学校経営を進めていくためには、学校のビジョンや方針が明確になっていること、これに基づいて各分掌・各学年・各教科の計画が決定されていること、更に各人の目標設定に繋がっていることが大切です。
本校では年度初めに学校の経営方針を発表し、各人がそれぞれの目標を設定し、年度末に振り返りを行うという『目標チャレンジ制度』を導入しています。
但し、現在これが十分機能しているとは言えません。
本年度はこのシステムの精度アップをはかることによって、円滑な学校経営を進めていきたいと考えています。