昭和の日の意義
ゴールデン・ウィークのスタートにあたる4月29日は〝激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす〟という趣旨の『昭和の日』です。
この日はもともと昭和の時代には天皇誕生日という祝日でした。しかし、昭和64年1月7日に昭和天皇が崩御され、年号が「平成」に改められたことを受け、平成元年からはこの天皇誕生日が『みどりの日』ということになりました。その後、平成19年からは、この「みどりの日」が「昭和の日」に変更されることになり、同時に5月4日に移されることになったのです。
今年、昭和元年(1926年)生まれの人は84歳、終戦の年(1945年)に生まれた人も65歳となり、高齢者の仲間入りをするようになってきました。私も戦後生まれの一人ですが、これまで戦後の苦難期、高度成長期、世界から羨望のまなざしで見られた絶頂期、バブル崩壊後の低迷期等日本の成功と挫折を経験してきました。
平成元年というのは、ベルリンの壁が崩壊し東西の冷戦が終結するのと同時に中国において天安門事件が起こった年にあたります。この年に生まれた人は21歳になりますが、考えてみると、今の子ども達は生まれてからずっと経済の低迷期の中で、閉塞感を持ちながら過ごしてきています。現在の日本は戦後の苦難期に比べるとまだまだ恵まれた状況にあると思いますが、このままでは国際社会の中での日本の地位はますます低下することになります。
この記念日を昭和の時代の苦難と繁栄をしのび、子ども達に語り継ぐと共に世界に向って大きく羽ばたく積極的な行動に結び付けていく日にしたいものです。