高校全校朝礼(グローバル化~日本を客観的に見る)
5月19日(木)、高校の全校朝礼を講堂で実施しました。部活動の表彰の後、準備してきた世界地図を見せながら「グローバル化」というテーマで次のような趣旨の話をしました。
〝皆さんは、今大学への進学を目指して、勉学に励んでいます。そして、大学を卒業すると社会に出ることになります。高校3年生の皆さんは5年後に、高校1年生の皆さんは7年後に、社会に出てそれぞれの分野で活躍することになりますが、“その時の社会はどうなっているのか”ということを、しっかりとつかんでおくことが大切です。5年後や7年後のことですから、明確にはわかりません。しかし、世の中がどういう方向に進んでいくのかという“トレンド”を押さえておけば、ある程度の予測は可能です。
これから日本において避けて通れないトレンドは、大きく3つあります。
1つ目は情報化、2つ目はグローバル化、3つ目は少子高齢化です。
3つ目の少子高齢化は日本をはじめとする先進諸国の問題ですが、1つ目の情報化と2つ目のグローバル化はお互いに影響しながら進んできます。グローバル化というのは、“グローブ”が地球という意味ですから、地球規模で色々なことが起こってくるということになります。一例をあげるとイチロー選手の活躍ぶりやオリンピックの状況や世界中の色々なニュースがすぐに伝わってきます。またインターネットの急速の普及によって、人の壁・時間の壁・地域の壁がなくなってきています。そして、ヒト・モノ・カネ・情報が国境を越えて移動することになります。そうなると、いかにグローバルな視点で物事を見られるかどうかが、極めて大切になってきます。言い換えると、日本という国を中心に考えて行動するのではなく、日本を客観的に見ていくということです。
これは日本を表した世界地図ですが、日本が真ん中にないため、皆さんは何か違うという印象を持つと思います。アメリカやヨーロッパから見ると、日本はユーラシア大陸の一番はしに位置しています。そして中国のすぐ近くにある「人口が中国の10分の1という小さな島」というように見えます。
これまでは一流大学を卒業すれば一生安泰であり、ほとんど日本の中で生活をするという時代でした。しかし、これからはグローバル社会の中で「何ができるのか」「何をしてきた」が重要になってきます。つまり、日本の1億2千万人を対象に仕事を考えるのではなく、世界の70億人~80億人を対象に考えていくということです。世の中に役立つ仕事は無限にありますが、これらをやるためにしっかりとした学力の裏づけ、基礎づくりをしておいて欲しいと思います。〟