世界の国々~ドイツ連邦共和国
先日、ヘルバルト校からの研修生を受け入れましたが、この機会に「ドイツ連邦共和国」について紹介します。歴史を遡ると、4世紀にゲルマン民族がローマ帝国に侵入して以来、ドイツ帝国、神聖ローマ帝国、プロイセン王国、ドイツ帝国、ワイマール共和国を経て戦後東西ドイツに分かれました。その後、東西の冷戦を経てベルリンの壁の崩壊により1990年に東西ドイツが統合され、現在に至っています。
第二次世界大戦後、旧西ドイツは日本と同様、急速な経済発展を成し遂げましたが、1990年の東西統一以降は旧東ドイツへの援助コストの増大、社会保障のためのコスト増大などが重荷となって経済が低迷しました。また旧東ドイツでは市場経済に適応できなかった旧国営企業の倒産などで失業が増える等の社会問題が発生しました。それでもGDPは、アメリカ・日本・中国に次いで第4位の経済大国、国際貿易量はアメリカに次いで第2位であり、EU加盟国第一の経済力を有しています。ドイツは戦前から科学技術に優れており、ガソリン自動車やディーゼルエンジン、液体燃料ロケット等を発明しました。現在でも技術力には定評があり、自動車のメルセデス・ベンツ、ポルシェ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、電機のシーメンス、航空機のルフトハンザ、ドイツ銀行、光学機器メーカーのライカ等の世界的に著名な企業が数多くあります。
日本とのつながりは深く、明治維新を経た1870年代から1880年代までは、ドイツ帝国の文化や制度が導入され、わが国の近代化の過程に大きな影響を与えました。そして、現在、ドイツは日本にとって欧州最大の、日本はドイツにとって中国に次ぐアジア第2位の貿易相手国です。
今、ドイツはアンゲラ・メルケル首相の下、EUのリーダーとして環境をはじめとする産業の振興や財政の建て直しをはかる等、多くの課題に真正面から取り組んでいます。