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2010年読書週間にあたって

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  11月3日の文化の日を挟んだ10月27日から11月9日の2週間は『読書週間』になっており、今年は第64回を迎えます。このルーツは1924年(大正13年)、日本図書館協会によって定められた「図書週間」で、読書の鼓吹、図書文化の普及、良書の推薦を目的とし、当時は11月17日から23日までの1週間でした。その後、戦争によって一旦廃止されますが、戦後間もない1947年(昭和22年)、“読書の力によって平和な文化国家を創ろう”という決意のもと出版社,取次会社、書店、公共図書館、新聞・放送のマスコミ等の関係者が結集し、名称も『第1回読書週間』として復活しました。これは11月16日から1週間にわたって開かれるアメリカの「チルドレンズ・ブック・ウィーク」にならったものです。そして、翌年の第2回目からは文化の日を挟んだ2週間になりました。以降今日に至るまで、「読書週間」は日本の国民的行事として定着し、日本は世界有数の「本を読む国民の国」となりました。各家庭においても、幼少の頃からお母さんが添い寝をして本を読み聞かせると共に機会があれば子ども達に本を与えてきました。小さい頃から本を身近に感じ慣れ親しんでいる子どもは読書好きになると言われています。
  これまで日本が高い教育水準を維持することが出来たのは、この読書力が大きな要因であるのは間違いないと思います。ところが最近、テレビやパソコン、携帯端末を主とするメディアの急速な普及によって、本や新聞を読む必要も機会も減り、子どもや若年層の活字離れが進んできています。特に人文科学系の書物が読まれなくなってきていることと読む人と読まない人の二極化が顕著になってきているようです。
  わが国では、これまで1999年に「子ども読書年に関する決議」、2001年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」、2005年に「文字・活字文化振興法」が制定されてきました。更に2008年6月には、文字・活字によって伝えられてきた知的遺産を警鐘発展させることを狙いとして「国民読書年」を制定することが国会の議決で決定され、今年がその年にあたっているのです。
  昨今、日本では物質生活の豊かさに比べ精神生活の低迷が問題視されていますが、論理的思考の基礎となる読書の習慣をつけることが一層重要になってきているように感じています。