« 中学入試の出願受付始まる | メイン | 始業式にあたって~プラス思考の大切さ »

日本の文化と伝統~人日の節句

2011100701.jpg

  本日(1月7日)は五節句の一つにあたる『人日』の節句です。五節句というのは3月3日(上巳・じょうみ・雛祭り・桃の節句)、5月5日(端午・たんご・菖蒲の節句) 、7月7日(七夕・しちせき・たなばた・星祭り)、9月9日(重陽・ちょうよう・菊の節句) のように奇数の重なる日が選ばれていますが、これらの行事が始まった理由は奇数(陽)が重なると陰になるため、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓うということなのです。しかし、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日の人日(じんじつ)になっています。そして、新年を無事に迎えられたということに対する神への感謝と邪気を払い、家族みんなが元気で一年の無病息災を願うことになっています。
  人日とは文字通り〝人の日〟という意味ですが、この由来は古代の中国において、正月の1日を鶏、2日を狗(犬)、3日を猪(豚)、4日を羊、5日を牛、6日を馬の日とし、それぞれの日にはその動物を殺さないようにし獣畜の占いをたてていました。そして、7日は人の日として犯罪者に対する刑罰も行なわない慣わしでした。
  この日は七草粥を食べる風習があるため七草の節句とも言われていますが、この七草粥は平安時代の初期に中国から伝えられたものです。当時は「七種粥」と呼ばれており、七草ではなく米・粟・黍(きび)・稗(ひえ)・みの・胡麻・小豆の七種の穀物で作られていました。その後、鎌倉時代になって、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろという七草を加えるようになり、更に江戸時代になって1月7日が「人日」という一つの祝日に定められたこともあって、七草粥を食べる習慣が武家や庶民にも定着したようです。また、この時期に七草粥を食べるというのは、医学的にも正月のご馳走に疲れた胃腸を休めると共に野菜の乏しい冬にビタミンを補給するという効用があるとのことです。私も明日の始業式に備えて、夕食には七草粥を食べて英気を養いました。生徒達が元気に登校してくれることを願っています。