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トマトのルーツを知る

21.7.28 トマトの成長記録 001a.jpg 21.7.28 トマトの成長記録 007a.jpg 

  最近は手軽に野菜の苗が入手できるようになったため、家庭菜園で手作り野菜を栽培する人も増えてきています。また、今年は家庭でのエコ活動の一つとして、キュウリやゴーヤのグリーンカーテンに挑戦している人も数多くいるようですが、私も茄子、シシトウ、キュウリ、ゴーヤ、トマト等を栽培しています。しかし、これらの野菜のルーツについては知らないことが多いため調べてみました。
  家庭菜園での代表的なものと言えば、まずトマトがあげられます。トマトはナス科の植物で、世界には実に約8000種類以上ものトマトが存在するとのことですが、最初は南米アンデス地方のペルー、エクアドルで、アステカやインカの民によって栽培されていました。
  その後、ラテンアメリカに到達したスペイン人によって、16世紀にジャガイモ、とうもろこし、唐辛子、その他さまざまな植物の種がヨーロッパにもたらされ、栽培されるようになりました。しかし、当初は鮮やかな赤色がもてはやされた反面、毒があると信じられ観賞用植物だったのです。そして、このトマトが食用になったきっかけが16世紀におけるイタリアの飢餓で、それまでは有毒と思って口にしたこともなかったトマトを食べざるをえなかったのです。ところが、食べてみると案外美味しいということで、その後、野菜として栽培されると共に品種改良が進み、スペイン、ポルトガル、イタリアの地中海地域で好んで食されるようになりました。
  日本には17世紀に、ヨーロッパから中国を経て長崎へと持ち込まれ、貝原益軒の『大和本草』の中に、「唐柿」として記述されています。最初は薬や観賞用で、一般に食べられるようになったのは明治になってからです。また、日本では冬に枯死するため一年生植物になっていますが、熱帯地方などでは多年生であり適切な環境の下では長年月にわたって生育し続け、延々と開花と結実を続けることができるようです。
  最近のトマトは化学肥料を使用するため、独特の香りが失われてきましたが、有機栽培したものは昔の香りが再現できるようです。トマトのルーツを知りながら熟した実を味わうのもなかなか興味深いものがあると感じています。