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自動車の歴史

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  自動車の世界生産は平成19年(2007年)には5400万台規模まで拡大しましたが、リーマンショック等の影響で先進国を中心に、現在は減少してきています。しかし、今後は途上国を中心に需要が拡大し、2020年には7200万台規模になるのではないかと予測されています。自動車産業は裾野が広いため、これからも注目すべき産業になるのは間違いありませんので、これから自動車について何回かにわたって取り上げてみたいと思います。
自動車の歴史を紐解くと、1886年に、ドイツのダイムラーとベンツにより現在のガソリンエンジンとほぼ同じものが開発されたのを皮切りに、フランス、イギリス、アメリカなどでも今日に通じるガソリンエンジンの車の生産が始まりました。当時は電気自動車や蒸気自動車も完成度を高め、いずれも相当な台数が街を走っていましたが、蒸気自動車と電気自動車はともに機構上の問題があることと前述したように、1901年の「テキサス油田」が発見されたことにより、ガソリンエンジンの普及に拍車がかかることになりました。この結果、自動車工業の舞台から次第に姿を消していくことになったのです。実は発明王のエジソンも電気自動車の改良に注力していたと言われています。
とりわけ、アメリカのヘンリー・フォードフォードは流れ作業が可能な「ベルトコンベアによる組立ライン」を導入することによって、自動車を大量生産し販売価格を下げることに成功しました。これによって、一部の富裕層の所有物であった自動車が大衆化されることになり、自動車産業は巨大なものになりました。そして、年間の生産台数は1920年までに100万台を突破し、アメリカの自動車の半数はT型フォードとなったのです。
  日本では1930年代にトヨタが最初に自動車の開発を手がけることになりましたが、今日の地位を築き上げるまでには血の滲むような努力と紆余曲折があったのです。
                                          《続く》