石油の歴史
石油の歴史を紐解くと、17世紀にルーマニアで灯油として使われていたという記録が残っています。その後、アメリカのペンシルベニア州やテキサス州において大油田が発見され、石油の商業化が始まり、それまで使われていたランプの燃料である植物油に代わる便利な燃料(灯油)としての需要が急速に増えていきました。
石油というエネルギーを語る上で、切っても切れないのが発明王と言われたエジソンとの関係です。エジソンは電気を使用してさまざまな製品開発を行なっており、1879年に電球(白熱灯)を発明しました。この結果、照明は灯油ランプから電気へと置き換わっていくことになり、石油企業としては市場の多くを失う恐れが出てきたのです。
ところが、1885年にドイツでゴッドリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハという技術者が、ガソリンエンジンを搭載したオートバイを開発し、その翌年には、カール・ベンツというドイツの技術者が三輪乗用車を作りました。これは、世界初のガソリンを搭載した自動車ですが、間もなくアメリカで「T型フォード」というガソリンを燃料とする自動車の大量生産・販売が始まりました。そして、自動車のエンジンは、石炭のように人が燃料をこまめに補給しなくても、燃料タンクへガソリンなどの燃料を一度入れてしまえば、一定の距離を走ることができるため、コンパクトな移動・輸送手段が欲しいというニーズに応えることになり、急速に石油の需要が増大することになりました。その後、石油を使った多くの技術が開発され、石炭から石油へとエネルギー転換が急速に進むことになりました。更に、1903年にはライト兄弟によって発明された飛行機の登場により、石油の消費がますます増大し、20世紀は石油を中心に工業化が進展することになったのです。