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第54回高等学校卒業式後記~大切な感謝の気持ち

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  本校の卒業式では、一旦閉式の辞が述べられた後、卒業生にバトンを渡すことが恒例になっています。今年も卒業生達はそれぞれの担任に感謝の気持ちを述べ花束を贈りました。先生達も感激のあまり涙をこらえきれない様子でした。
  人間が他の動物と異なるのは〝感謝〟や〝お詫び〟や〝思いやり〟の気持ちを持っていることではないかと思います。人間は自分一人では生きていくことはできません。生きる力が大切であると言われますが、人間は生きているのではなく、生かされているのです。食事の時に「いただきます」と手を合わせているのも多くの生き物の命をいただいているからです。そして、多くの人からさまざまな支援をもらって助け合って生活しています。
  日本は第二次世界大戦の敗戦で、国土はいたるところが焼け野原と化し、人々は衣・食・住に困窮し、耐乏生活を余儀なくされました。しかし、何とかこれらの生活から脱却しようという強い思いで、全国民が力を合わせて懸命に働いてきました。この結果、経済が発展し、物質的には以前とは比べものにならないくらい豊かな暮らしを享受することができるようになりました。しかし、この反面、心の豊かさの部分が失われ、最近は自分さえ良かったら良いという自己中心的な考え方が目に付くようになってきています。これでは世の中は決して良くならないと思います。このように自分の事にこだわる我欲が強くなりすぎると、今の生活が当たり前であると考え、際限なく上を目指すことになります。そして、感謝するという気持がなくなってしまいます。
  雲雀丘学園の創立の精神は「親孝行な人は将来立派になれる」という『孝道』であり、これは親に対する最大の感謝です。卒業生達が親や先生に対する感謝の気持ちを忘れず、日々行動していけば必ず充実した人生を送れるようになると思っています。