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鉄は熱いうちに・・・

 「鉄は、熱して軟らかいうちに鍛えよ。精神が柔軟で、吸収する力のある若いうちに鍛えるべきである、というたとえ。」(大辞泉)があります。
 鉄製品の作り方として、赤くなるまで熱して、叩いて成形してく鍛造という方法があります。鍛造は叩いて成形しますので結晶が微細になり、結晶の方向も整えられ強度が増します。ゴルフクラブなども鍛造で作られたものは打感が良いとして上級者に好まれています。また、鉄は熱を加えて冷やす方法(熱処理)により、いろいろ性質が変化します。約900℃以上に熱すると結晶構造が体心立方格子から面心立方格子に変化します。その状態の時、水に浸け急激に冷やすと強度が増します。しかし、もろくなります。叩くと割れます。焼き入れと言われる方法です。このままでは使用に耐えませんので、約400℃ほどに熱しゆっくり冷やす焼きなましという方法を合わせて行います。こうすると割れなくなります。

 好きなことに熱中している時、一念発起して何かをやろうとした時、気持ちも高揚し、人が変わったように頑張れます。テスト前日の一夜漬けもそうかもしれません。しかし、これは焼き入れと同じで、変化はしますが、もろく使い物にはなりません。最初ほど高揚した状態はいつまでも続かなくとも、継続して習慣化していく必要があります。焼きなましが必要です。

 新学期、気分一新、頑張ろうとする気持ちがあると思います。急冷する焼き入れだけでなく、ゆっくり冷やす焼きなましが必要です。新しい学習習慣を3週間継続する焼きなましが。